駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

2009-01-01から1年間の記事一覧

2009年総括など(ていうか宝塚話)

今年もたくさんの舞台を観ました。充実した一年でした。 マイ・ベスト3は、『十二人の怒れる男』『サロメ』『怪談 牡丹燈篭』かなあ。 …好みがわかりやすくてすみません。 でも今年はオペラに一本も行けなかったので、それは残念でした。手ごろな公演がなか…

『姫が愛したダニ小僧』

アートスフィア、2005年7月22日ソワレ。 骨組だけの廃虚ビルを、ひとりの男が暗い顔で登っていく。彼の名は飯田(ラサール石井)、ここから飛び降りようと考えていた。だがゴミと見まがう服を着た、このビルに住むという男(後藤ひろひと)が飯田に不…

『モーツァルト!』

帝国劇場、2005年7月21日ソワレ。 1768年、ウィーン。ザルツブルクの宮廷楽士であるレオポルド・モーツァルト(市村正親)は、名士が集まる貴族の館で、幼い息子がピアノを弾くのを目の当たりにしている。5歳にして作曲の才を花開かせたその子供…

英国ロイヤル・バレエ団『マノン』

東京文化会館、2005年7月14日ソワレ。 パリ近郊の宿屋の中庭。馬車が到着し、修道院へ入る予定の美しい娘マノン(シルヴィ・ギエム)が老紳士とともに現れる。老紳士はマノンに気があるらしく、マノンの兄レスコー(ティアゴ・ソアレス)は彼女の見受…

『キレイ』

シアターコクーン、2005年7月13日ソワレ。 三つの国に別れ、100年もの間民族戦争が続く「もうひとつの日本」。民族解放軍を名乗るグループに誘拐され、監禁されていた少女(鈴木蘭々)が、10年ぶりに地上へ逃げ出す。過去を忘れた少女は自らケガ…

安寿ミラダンスコンサート『FEMALE Vol.8』

サンシャイン劇場、2005年7月8日ソワレ。 出演/安寿ミラ、楓沙樹木、SHUN。構成・演出/ANJU、音楽・演奏/宮川彬良。元宝塚歌劇団花組トップスターのライフワーク、芸能生活25周年・退団10年目の記念公演。 観たことがなかったのですが、誘って…

『愛と幻想のシルフィード』

東京芸術劇場、2005年月7日ソワレ。 スコットランドのグラスゴー。目下失業中の溶接工ジェームズ(この日はジェームス・リース)はかねてからの恋人エフィー(ミカ・スマイリー)との結婚を控えた身。結婚式前夜、仲間と繰り出したクラブのトイレでドラ…

Kバレエカンパニー『白鳥の湖』

オーチャードホール、2005年6月9日ソワレ。 純粋無垢な少女オデット(この日は康村和恵)が森の中で花を摘んでいると、悪魔ロットバルト(スチュアート・キャシディ)が呪いをかけて彼女を白鳥に変身させてしまう。一方、王国の宮廷では、ジークフリー…

『ジーザス・クライスト・レディオ・スター』

恵比寿エコー劇場、2005年6月8日ソワレ。 押してくる時間、迫りくる罠、場違いな曲…12人の怒れる優しく何よりいいかげんな男たちが繰り広げるノンストップ120分生番組。作・演出/西田大輔。再演。 生放送のラジオ番組のスタジオを舞台とする、シ…

『ナイン THE MUSICAL』

アートスフィア、2005年6月6日ソワレ。 映画監督のグイード・コンティーニ(別所哲也)は、妻ルイーザ(高橋桂)とともにイタリアを訪れる。次の映画の撮影が始まろうとしているのに、企画にまだ煮詰まっているのだ…台本/アーサー・コピット、作詞・…

『シンデレラストーリー』

ル テアトル銀座、2005年6月3日ソワレ。 昔々、小さいながらも人々が穏やかに暮らす平和な王国がありました。仲睦まじい王様(尾藤イサオ)と王妃様(高嶺ふぶき)の最近の悩みと言えば、跡継ぎの大切な王子・チャールズ(浦井健治)のお相手捜し。国…

宝塚歌劇月組『エリザベート』

東京宝塚劇場、2005年4月22日マチネ、5月17日ソワレ。 19世紀末。ヨーロッパ随一の美貌を謳われたオーストリアハンガリー帝国皇妃エリザベート(瀬奈じゅん)が、イタリア人アナーキストのルイジ・ルキーニ(霧矢大夢)に殺害された。煉獄の裁判…

AND ENDLESS『桜の森の満開の下』

シアターX、2005年5月12日ソワレ 原作/坂口安吾、構成・演出/西田大輔。全1幕。 原作を未読だからかもしれませんが…ごめん、ワケわからなかった。 山賊が都から次々女を奪ってきて女房にして、八人目の女をさらったときにはその亭主を殺してしまい、…

KERA・MAP『砂の上の植物群』

シアターアプル、2005年5月11日ソワレ。 ある日、日本へ帰る途中の旅客機が、とある戦地の海辺に墜落。奇跡的に生き残った10人足らずの男女は、廃虚のような建物に、ジャーナリストのオギソという人物によってかくまわれる。だが事故から2週間近く…

『ルル』

世田谷パブリックシアター、2005年4月14日ソワレ。 新雑誌のグラビア・モデルに新妻ルル(秋山菜津子)を選んだ編集長ゴル(小田豊)。カメラマンのシュバルツ(みのすけ)が撮影するスタジオには、詩人ゲシュヴィッツ(根岸季衣)の他、雑誌を出す新…

ジンガロ『ルンタ』

ジンガロ特設シアター、2005年4月1日ソワレ、4月9日ソワレ。 出生不祥、年齢不祥の主催者バルタバス率いる、45人の団員と25頭の馬、ガチョウ、楽士たちがヨーロッパ各地を移動しながら公演する「スペクタクル」。 「騎馬オペラ」と称されていま…

劇団四季ミュージカル『オペラ座の怪人』

四季劇場海、2005年4月7日マチネ。 19世紀中頃、パリ・オペラ座。新作オペラ『ハンニバル』の舞台稽古中、突然背景幕が落下する。みなが「オペラ座の怪人」(この日は村俊英)の仕業だと騒ぐ中、プリマドンナのカルロッタ(種子島美樹)は降板してし…

演劇集団キャラメルボックス『TRUTH』

サンシャイン劇場、2005年3月24日ソワレ。 慶応4年、信州上田藩の江戸藩邸。6人の若い藩士たちが日本の将来について話し合っている…劇団創立20周年記念公演第一弾。作・演出/成井豊、真柴あずさ。全一幕。 一定のサポーターがいる、非常に人気の…

『BAT BOY THE MUSICAL』

THEATRE1010、2005年3月3日ソワレ。 町から離れた、誰もいない洞窟で、三人の少年少女がコウモリ少年…バットボーイ(森山未来)を発見した。エドガーと名づけられた少年は、言葉も心も通じなかったが、パーカー獣医(福井貫一)の家でメレディス夫人(…

『SHAKESPEARE'S R&J』

パルコ劇場、2005年2月17日ソワレ。 舞台は厳格なカソリック系の全寮制男子校。勉強、懺悔、夕べの祈り…生徒は行動のすべてを厳しい規則でがんじがらめにされており、道徳を乱すものはいっさい禁止されている。シェイクスピアの戯曲さえ、ここでは禁…

『危険な関係』

青山劇場、2005年2月10日ソワレ。 亡者の霊魂さながらの仮面の人物がさ迷う中、互いの存在に気づいて仮面を外すふたりがいた。ヴァルモン(アダム・クーパー)とメルトイユ(この日はサラ・バロン)である。メルトイユはジェルクール(リシャール・キ…

劇団四季ミュージカル『コーラスライン』

自由劇場、2005年1月27日ソワレ。 演出家兼振付家のザック(この日は飯野おさみ)の前で、大勢のダンサーが踊っている。ここは、近くオープンするショーのダンス・アンサンブル、いわゆるコーラスを選ぶためのオーディション会場だ。ザックが必要とし…

劇団四季ミュージカル『キャッツ』

キャッツ・シアター、2005年1月25日ソワレ。 満月が輝く夜、24匹の野良猫たちが、それぞれの生き方を歌い、踊り、競い合う、年に一度の舞踏会。天上に上り、新しい人生を生きることが許されるただ一匹の「ジェリクルキャッツ」に選ばれるのははたし…

『ロミオとジュリエット』

日生劇場、2004年12月27日ソワレ。 花の都ヴェローナ、季節は夏。反目しあうふたつの名門、モンタギュー家とキャピュレット家。モンタギューの息子ロミオ(藤原竜也)はロザラインへの恋いに深く悩んでいた。彼女が出席するというキャピュレット家の…

NYLON100℃『消失』

紀伊国屋ホール、2004年12月9日ソワレ。 幼いころに両親が離婚して以来、チャズ(大倉孝二)とスタンリー(みのすけ)は兄弟ふたりきりで暮らしている。クリスマスイブに、スタンは想いを寄せている女友達ホワイト・スワンレイク(犬山イヌコ)を招こ…

Kバレエカンパニー『ドン・キホーテ』

オーチャードホール、2004年11月18日ソワレ。 スペイン内陸部のラマンチャ地方。ひなびた田舎に人知れず暮らす老紳士ドン・キホーテ(ルーク・ヘイドン)は中世の騎士物語を読みふけるうち、現実と夢想の区別がつかなくなって冒険の旅に出る。一方、…

『タカラヅカスペシャル2009 WAY TO GLORY』

梅田芸術劇場 2009年12月19日マチネ 初日を観てきました。 実はTCA(古ッ!)とか運動会とか、こういうイベントを観るのは初めてなのですが…今年のワタシはやや壊れています。 というわけで、観劇記というよりは日記として、感想を… まずは、日帰…

KOKAMI@network『リンダリンダ』

シアターアプル、2004年11月17日ソワレ。 大手レコード会社にメインボーカル・カズト(根田淳弘)を引き抜かれ、ドラムのヨシオ(田鍋謙一郎)は失意のうちに故郷に帰り、バンド「ハラハラ時計」は壊れかけていた。ベースのマサオ(松岡充)はバンド…

『溺れた世界』

シアタートラム、2004年10月21日ソワレ。 そこは人々が、市民と非市民のふたつに分断された世界。市民は醜く、非市民は輝くように美しい。美しい非市民たちが放つ輝きを恐れて、市民は非市民を迫害・抹殺し、世界を支配していた。青年ダレン(岡田義…

『ミス・サイゴン』

帝国劇場、2004年10月15日ソワレ。 1975年4月、陥落直前のサイゴン。通称エンジニア(この日は筧利夫)はアメリカのGIたちをキャバレーに呼び込んで「ミス・サイゴン」選びの乱痴気騒ぎ。17歳のキム(松たか子)は故郷の村を爆撃で焼かれ、両…