駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

2023-01-01から1年間の記事一覧

暮れの元気なご挨拶2023

観劇納めの記事でも書きましたが、今年は歌舞伎開眼の年だったかなーと思います。観劇始めも観劇納めも歌舞伎座だったし、今年一番素で泣いて心が震えた舞台は『新・三国志』だったかなと思うからです。ナウシカ歌舞伎以降、スーパー歌舞伎や新作歌舞伎を中…

佐藤史生『夢見る惑星』

小学館コミック文庫全3巻。 遠い古代の都。祖先は聖なる船に乗り、星の海を渡ってきたと神話に伝えられていた。その都アスカンタは富貴と美にあふれ、人々は翼竜とともに空を翔ける。その国に若き大神官が生まれようとしていた。幻視者ライジアに育てられた…

十二月大歌舞伎第三部『猩々/天守物語』

歌舞伎座、2023年12月25日17時45分。 『猩々』の猩々は松緑と勘九郎、酒売りは種之助。私は舞踊はさっぱりわかりませんが、格調高い千鳥足もあるものよ、と感動しました(笑)。酔っぱらいたるもの、かくありたい。猩々とは中国に伝わる、水中に…

『パガドスカファン』供養

宝塚歌劇宙組『PAGAD/Sky Fantasy!』の大劇場公演初日と、翌日11時公演を観ています。そのときの感想はこちら。 その後、3日目から公演は中止になり、東京公演と、続く別箱の博多座公演とバウホール公演も中止が発表されたのはご存じの…

韓流侃々諤々neo 9『相続者たち』

2013年SBS、全20話。原題は『王冠を被ろうとする者、その重さに耐えろ-相続者たち』。タイトルロゴのソンソクチャドゥルのチャがまんま漢字の「者」なのがお洒落。 主人公はイ・ミンホ演じるキム・タン。財閥である帝国グループの会長の次男坊。実…

ブルスカ始めてます。

Bluesky、始めてみました。 中の人はブルスコと呼ぶんですか? あとはまあ青空?(わたしのあおぞら、といえばナニーロ初主演バウですよ…いつか絶対観られると信じてるんだからネッ!) なんかそういうネットミーム(というほどのものでもないか…)み…

『ジョン&ジェン』

よみうり大手町ホール、2023年12月19日18時。 1985年、6歳の少女ジェン(この日は新妻聖子)の家に、ジョン(この日は森崎ウィン)が生まれる。弟を温かく歓迎するジェンは、暴力を振るう父親から守り抜くことを誓う。ふたりは支え合いながら…

ねえ、ナナ ~『NANA』再読~

矢沢あい『NANA』(集英社りぼんマスコットコミックス クッキー 既刊21巻) 私は矢沢あいが台頭してきたころに「りぼん」を卒業しました。なので大人になってからまず『天使なんかじゃない』を読み、よくできていておもしろいことに感動し、これは連載…

『海をゆく者』

PARCO劇場、2023年12月13日18時。 アイルランド、ダブリン北部の郊外にある海沿いの町、バルドイル。一軒の家に、若くはない兄弟がふたりで暮らしていた。陽気で開放的な兄リチャード(高橋克実)は大酒飲みで、最近目が不自由になった。その…

宝塚歌劇花組『BE SHINING!!』

昭和女子大人見記念講堂、2023年11月29日11時半、12月1日13時。 神戸国際会館こくさいホール、12月12日11時半。 卓越したダンスと美しくも妖しい色気で魅了する花組トップスター柚香光の多彩な魅力を詰め込んだ、コンサート形式のショ…

『こうもり』

新国立劇場オペラパレス、2023年12月10日14時。 2020年シーズンにも観ていて、そのときの記事はこちら。 今回はアイゼンシュタイン/ジョナサン・マクガヴァン、ロザリンデ/エレオノーレ・マルグエッレ、フランク/ヘンリー・ワディントン、…

『赤と黒』

東京芸術劇場、2023年12月9日17時半。 ヴェリエールという小さな田舎町の貧しい大工の家に生まれながらも、明晰な頭脳と端正な容姿を持つ青年ジュリアン・ソレル(三浦宏規)は、ブルジョワたちが支配する社会を激しく憎み、その知力を武器に聖職者…

『東京ローズ』

新国立劇場小劇場、2023年12月8日19時。 アメリカで生まれ育った日系二世のアイバ・トグリ(戸栗郁子)は、日本人としての教育を受けることなく、アメリカで大学を卒業する。大学院への進学を控えた1941年夏、病身の叔母の見舞いのために日本へ…

『流白浪燦星』

新橋演舞場、2023年12月7日11時半。 安土桃山時代。流白浪燦星(片岡愛之助)と次元大介(市川笑三郎)は帝の御所から雄龍丸の刀を盗み出した。雄龍丸には、天下の大泥棒・石川五右衛門(尾上松也)が持っている雌龍丸という雌雄一対となる刀がある…

『かけがえのない日々 -冷蔵庫のうえの人生-』

パルテノン多摩小ホール、2023年12月3日14時(千秋楽)。 作/アリス・カイパース、翻訳/八木明子、演出/田中麻衣子。音楽朗読劇、90分の全1幕。 大野いととの初演の感想はこちら。 今回はクレア/加藤梨里香、ピアノ演奏は松木詩奈。 再演以…

韓流侃々諤々neo 8『赤い袖先』

2021年MBC、全17話。原題は『オッソメ 赤いクットン』で、クットンとは女官の衣服の袖の先、他の布などを当てて色が変わっている部分のことだそうです。なのでこの邦題になっているわけですが、「オッソメ」がそもそも袖先のことなのかな…? ともあ…

宝塚歌劇花組『激情/GRAND MIRAGE!』

梅田芸術劇場メインホール、2023年11月17日15時半(初日)。 相模女子大学グリーンホール、12月2日12時。 19世紀。フランスの作家プロスペル・メリメ(凪七瑠海)はスペインのアンダルシア地方の旅行中にひとりの男と出会い、彼をモデルに…

ふらり、ひっそり、ひとり。旅 その8/茨城県

茨城から入って栃木、群馬と進む団体ツアーにまたまたひとり参加してきました。美浦トレセンに行ったことがあるし小学校の修学旅行は日光だったし草津や伊香保の温泉にも行ったことがあるので(先日上野村に茸狩りに行ったばかりでしたし)、またまたいずれ…

韓流侃々諤々neo 7『医師ヨハン』

2019年SBS、全16話。原題ママ。 BS12で全16話で見ましたが、向こうは1話70分くらいなので、カットはまあまああったのかもしれません。 久坂部羊の小説『神の手』が原作だそうで、日本でもドラマ化されたそうですが、私は未読・未見。 主人…

花全ツ『激情グラミラ』初日雑感

宝塚歌劇花組全国ツアー公演『激情/GRAND MIRAGE!』初日の梅田芸術劇場メインホール公演11月17日15時半回を、日帰りで観てきました。幕が上がり、チケットがあるなら私は行くスタンスです、ご容赦ください。 星組博多座初日同様、開演前…

『無駄な抵抗』

世田谷パブリックシアター、2023年11月16日19時。 その駅は半年前から電車が停まらなくなった。どの電車も通過するだけ。住人たちは困惑しながらも、隣の駅まで行くなり、他の交通手段を使うなりして日常生活を送っていた。駅ビルは寂れ、駅前の広…

『LUPIN』

帝国劇場、2023年11月15日18時。 テンプル騎士団のカテドラルを再建し、施療院を作る計画の会見が開かれている。テンプル騎士団研究会会長ボーマニャン(この日は黒羽麻璃央)や新聞記者など多くの人々が集まっているところへ、デティーグ男爵令嬢…

『ビロクシー・ブルース』

シアタークリエ、2023年11月14日18時。 1943年、アメリカ。5人の若者が列車に揺られている。彼らはニュージャージー州フォート・ディックスからミシシッピ州ビロクシーにある新兵訓練所へと向かっていた。作家志望のユージン(濱田龍臣)は、…

「黄金の馬」アハルテケに会ってきました。~八戸旅行日記~

話せば長いので詳細は割愛しますが、私は二十歳の頃から二十年間ほど、実家の近所の乗馬クラブで乗馬をしていました。社会人になると都心でひとり暮らしを始めましたが、週末には実家に帰って上げ膳据え膳一番風呂というウィークエンド・パラサイト・ライフ…

『尺には尺を』『終わりよければすべてよし』

新国立劇場中劇場、2023年11月3日18時(『尺には~』)、9日18時半(『終わり~』)。 ウィーンの公爵ヴィンセンシオ(木下浩之)は後事を代理アンジェロ(岡本健一)に託して突然旅に出る。だが実はアンジェロの統治を密かに見届けるという目的…

吉例顔見世歌大歌舞伎『マハーバーラタ戦記』

歌舞伎座、2023年11月8日11日(昼の部)。 悠久のガンジス川の流れの源、ヒマラヤ山の頂きの雲の上に、神々の住む場所がある。那羅延天(尾上菊五郎)が「この世の終わりが始まる」と告げると、シヴァ神(尾上菊之助)が、象の国において人間の始め…

韓流侃々諤々neo 6『クライムパズル』

BS12で全14話で見ました。2021年のドラマで、もとは全10話だったようです。原題ママ。 主人公はユン・ゲサン演じる犯罪心理学者のハン・スンミン。ヒロインはその恋人で女性刑事のユ・ヒ、演じるのはコ・アソン。ヒロインの父親の殺害容疑で主人…

韓流侃々諤々neo 5『キマイラ』

BS12で字幕で全22話で見ました。2021年のドラマで、もともとは全16話の模様。原題ママ。「キメラ」と発音されているようでしたが、通りの良さを選んだのかな? 「キマイラ事件」と呼ばれた35年前の連続殺人事件と似た事件が起こって…というサ…

宝塚歌劇月組『フリューゲル/万華鏡百景色』

宝塚大劇場、2023年8月18日13時(初日)、9月7日18時(新公)。 東京宝塚劇場、10月31日18時、11月7日18時。 東ドイツの文化庁に出向する人民軍地上軍大尉であるヨナス・ハインリッヒ(月城かなと)は、世界を席巻するスーパーアイ…

『天使にラブ・ソングを』

東急シアターオーブ、2023年11月6日18時。 前回、きぃちゃんのシスター・メアリー・ロバート目当てで観たときの感想はこちら。 楽しかったし満足したので、再演はパスかな…と思っていたのですが、シスター・メアリー・ロバートが梅田彩佳になるとい…