駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

愛蔵コミック・コラム/著者名や・ら・わ行

湯木のじん『山田家の女』(集英社マーガレットコミックス全6巻)

祖母はバツ3、母はバツ2、姉はシンママ。女だけの家で育った山田三葉は、学年主席の秀才だが自立より何より誠実な旦那さまとの幸せな家庭が将来の夢、という高校一年生。でもよりによってそんな三葉が好きになったのが、校内で評判の良くない金髪男子・窪…

ねえ、ナナ ~『NANA』再読~

矢沢あい『NANA』(集英社りぼんマスコットコミックス クッキー 既刊21巻) 私は矢沢あいが台頭してきたころに「りぼん」を卒業しました。なので大人になってからまず『天使なんかじゃない』を読み、よくできていておもしろいことに感動し、これは連載…

泰三子『ハコヅメ』

講談社モーニングKC全23巻。 辞表を握りしめた新米女性警察官・川合の交番に、何故か刑事課から超美人の藤部長が配属されてきた。岡島県警(の男性陣)を絶望に陥れるコンビの誕生である…理不尽のち愚痴、ときどきがんばる、誰も見たことのない警察漫画…

渡辺多恵子『ファミリー!』

小学館フラワーコミックス全11巻。 LAのアンダーソン家は総勢5人。人のいいパパにマリア様のようなママ、男が好きな長男のケイに男の子みたいな長女のフィー、おませな次女のトレーシーの仲良し家族だ。ところがそこに、パパの隠し子を名乗る5歳の天才…

吉田秋生『BANANA FISH』

小学館フラワーコミックス全19巻。 1973年、ベトナム。ひとりのアメリカ人兵士が「バナナフィッシュ」という言葉を残して、突然精神に異常をきたした。1985年、ニューヨーク。謎の言葉「バナナフィッシュ」を追うアッシュに、暗黒街のボス、パパ・…

よしながふみ『大奥』

白泉社ヤングアニマルコミックス全19巻。 若い男だけが罹り、5人のうち4人が命を落とす「赤面疱瘡」はあっという間に全国に広がり、やがて男子の人口は女子のおよそ4分の1で安定した。男のあまりの生存率の低さゆえに、男の子は子種を持つ宝として大切…

吉田秋生『ラヴァーズ・キス』

小学館別コミフラワーコミックス全2巻。 藤井朋章は鎌倉でも大きな産婦人科のひとり息子で、今はひとり暮らし。何人もの女の子をナンパしてるだの妊娠させて父親の病院でおろさせただのと、悪い噂が多い。だが早朝の海でサーフィンをしていた彼に会った里伽…

安彦良和『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』

角川書店コミックス・エース全23巻。 人類が増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになってすでに半世紀以上が過ぎた。地球の周りには数百基の巨大なスペースコロニーが浮かべられていた。人類はその円筒の内壁にあたる人工の大地に住み、そこを第二の故郷…

吉田丸悠『きれいなあのこ』(新書館hirari.comics)

解散の危機にあるリアルJC・JKアイドルグループ「平成絶対領域委員会」メンバー6人の少女たちを描く連作短編集。 「ひらり、」はピュア百合アンソロジーであるらしく、私は別にピュアでなくてもいいし(笑)学園ものにもそんなには惹かれないのですが、…

ゆうきまさみ『鉄腕バーディー』『鉄腕バーディーEVOLUTION』

ゆうきまさみ『鉄腕バーディー』(小学館ヤングサンデーコミックス全20巻) 『鉄腕バーディーEVOLUTION』(小学館ビッグスピリッツコミックス全13巻) 宇宙連邦捜査官バーデイー・シフォン・アルティラは広域指名手配班クリステラ・レビを追っ…

山岸涼子『アラベスク』

白泉社文庫、全4巻。 ソビエト連邦キエフ共和国のバレエ学校に通うノンナは、背が高すぎるのが悩み。だがそのダイナミックさを“ソビエトの金の星”と呼ばれるユーリ・ミロノフに見出され、レニングラード・バレエ団の新作に抜擢される…バレエ・ロマンの傑作。…

山岸涼子 『日出処の天子』

白泉社文庫全7巻。 6世紀の大和朝廷では、崇仏派の蘇我馬子と神道派の物部守屋との二大勢力に別れて争っていた。そんな中、馬子の長子・毛人は厩戸王子に心惹かれていく… すごいラストシーンだなあ、としみじみ思う作品の三傑に入ります(『メッシュ』『はみ…

吉田秋生 『櫻の園』

白泉社ジェッツコミックス 春の創立祭に演劇部がチェーホフの『櫻の園』を上演する伝統がある女子校を舞台にした、少女たちのオムニバスストーリー。 映画にもなって話題になりましたが、やはりちょっと視点が違っていましたね。 私はどのエピソードも好きだ…

吉田秋生『夢の国』

小学館プチフラワービッグコミックス、吉田秋生傑作集2 『カリフォルニア物語』番外編の表題作のほかに、『ジュリエットの海』『最後の夏』『解放の呪文』を収録した短編集。 表題作だけな叢書に本編と併せて収録されているのですが、他の読み切りもいい味…

吉田秋生『PRIVATE OPINION』

小学館別コミフラワーコミックススペシャル 1973年、ベトナム。「バナナフィッシュ」という謎めいた言葉を残して、ひとりのアメリカ兵が錯乱した。そして1985年、ニューヨーク。ストリート・キッズのボス、アッシュ・リンクスは再びその言葉を聞く…少女漫画…

吉田秋生『カリフォルニア物語』

小学館叢書全4巻。 明るい太陽、夢のカリフォルニアにあこがれながらも、寒さ厳しいニューヨークの吹きだまりに集うしかない若者たちの青春… サイファンにはサイフリートの影があります。不器用で不運なイーヴには実社会でうまく生きられなかったジルベール…

吉田秋生『河よりも長くゆるやかに』

小学館プチフラワービッグコミツクス全2巻。 ガールフレンドにワイ談に、喧嘩にドラッグ、それがトシ、深雪、秋男の男子校の青春… ずっと「これで完結」と言っていなかったので、今も正式にはそう言っていないかも、いずれ続きが描かれるのかと楽しみにして…