梅田芸術劇場、2017年12月21日14時(初日)。
日本初のレビュー『モン・パリ』誕生90周年を記念して、レビューに焦点を当て、また今年の公演を振り返るコーナーなどバラエティ豊かな構成。監修/石田昌也、構成・演出/中村一徳、藤井大介、齋藤吉正、音楽/吉田優子、西村耕次、鞍富真一、手島恭子、青木朝子、高橋恵。花、月、雪、宙組選抜メンバーに専科を加えての公演。
去年はライビュでやや寂しい思いをしたので(イヤなかなか楽しかったけれど、結局見たいところが映らないわけだし!)、今年はなんとか出かけてきました。ちなみに一昨年の感想はこちら。弾丸日帰り遠征で、これで今年の観劇納めでした。
というワケで主に贔屓ばっかり見てきたので、そういう感想になってしまって申し訳ない。真ん中はそのうち映像で見ますね…
オープニングは各組の今年の公演を振り返る映像から。幕が落ちて引かれて、出演者全員で板付きチョンパ。トップコンビやイシちゃん、二番手スターさんが何を着ていたかは記憶がなく…その他はピンクの燕尾でした。スカステニュースのお稽古場映像で見たとおりに、下手端からわかば、りく、あっきー、あきらと並んでいて「ふおおおお」という感じでした。全員で『ザ・レビューⅢ』より「ボンジュール宝塚」。
イシちゃんの「PARFUM DE PARIS」にトップ娘役四人が絡んで、まずはゆりかちゃんの「シャンソン・ド・パリ」。ここで早速バックダンサーとしての出番なのですが、振りがかなりおもろかったですよ尚すみれ先生の振り付けですがどうしたことですかね!? みつるにマギーにちなつ愛りくとまあまあ上級生が揃ってるんですけど、ラジオ体操みたいな幼稚園のお遊戯みたいな、腕を胸の前でグルグル回して屈んで伸びてパッと開く、みたいな振りがツボすぎました。
続いてだいもんが「パリの太陽」を明るく爽やかに。大空さんのショーとかでも聞いたことがあったな、好きな歌で嬉しい! 珠城さんが「メモアール・ド・バリ」で、紳士的で優しい雰囲気。みりおが二番手四人を従えて『ウィ・ウィ・パリ』より「楽しいわがパリ」、そして全員で『華麗なる千拍子』から「幸福を売る人」で客席降り。私は一階センターブロックやや下手寄りにいたので、下手通路をあっきーが降りてきたときにはたぎりました! 中通路を折れてさらに下手に行っちゃったんですけどね(^^;)。わかばが近くて、ニコニコしてくれました。また戻り際にあきらとアイコンタクトしてタイミング合わせて戻っていくというレアなあっきーが見られて、満足でございました。
オープニング・トークは、イシちゃんとトップ四人が(途中で先にみりおが抜けましたが)パリ縛りであることやパリに行ったことがあるかどうか、みたいな話を軽く。珠城さんだけが行ったことがなくて、パリを舞台にした『AfO』も上演したけれど自分は田舎のガスコーニュ出身だったしと言い訳し、自分も田舎出身なので…と言っていましたがイシちゃんもゆりかもたいがい田舎の出だからその話題はやめておいたら、と思ったら特に拾われずスルーで安心しました。就任順ではゆりかが最下ですが学年順では珠城さんが最下なので、以後いじられ役に回ることになったようですね。愛しい。
組コーナーは花組から、ブルーのスーツとワンピース、トップコンビは金の衣装にブルーの差し色。『雪花抄』から『ハンナ』の2曲、『金砂』、『EXCITER!!』、そしてキキがいないのでちなつセンターでの『MY HERO』、カレーちゃんにしろきみちゃんと華ちゃんで『はいからさん』、『邪馬台国』そして『Sante!!』で盛り上がってシメ、でしたかね。
月組は黄緑っぽいグリーンで。やはり『グラホ』の歌はなくて、カルーセルから『長崎しぐれ坂』と来て、ちゃぴとわかばくらげさくさくかれんちゃんという激ラブリーな「もし私が女の子なら」、『瑠璃刻』からみやちゃんとれいこが歌い継いで、最近すぎる気もするありちゃんの『Arkadia』、としゆりわかばの『クリタカ』、『鳳凰伝』そして『AfO』でシメ。
雪組はピンクで、『ドラS』から。きーちゃんの「S! S!!」がゆうみちゃんとはまた違っていて可愛かったです。そしてだいもんの台詞入りで『琥珀』、色気がヤバい…「セ・ラ・ヴィ」を挟んで咲ちゃんの『ネモ』キタコレ感もたまりませんでした。あーさとみちるちゃんも続いて、その後はなぎしょの『幕末』、ひとこの『NW!』、そして『ひかり路』、『SV』だったかな。
なので宙組は黄色だよな、レモン色かなひよこ色かなと思っていたらほとんどオレンジ色でしたね。『ビバフェス』のあといきなりゆりかが「愛の賛歌」を歌うので、FNSもあったけどこれが実質的なトップデビューで持ち歌がないトップはつらいなオイと思いましたよ…よく考えたら巴里祭ってことだったんでしょうけれど。キキちゃんもシャンソンを歌い、続く『パーシャルタイムトラベル』では公演時はずんちゃん主演作でまどかヒロイン、って感じだったのがもはやトップ娘役のまどかに花を添える相手役のずんちゃん、みたくなっているのがツボでした。そして愛ちゃんをセンターにあきりくで『A Motion』主題歌。まぁ様がいなくてもがんばっております!と胸アツでした。そして『王妃の館』のあとゆりかまどかで『神土地』ありさラッダの歌を…! いろいろな意味で泣けましたよたぎりましたよ!! シメは『クラビジュ』。
続いて専科三人が赤いラテンの衣装で「シャンパーニュ」、カワイコちゃん揃いのエイトシャルマンがたまらん!
そして一幕ラストはタカスペの華、トップコンビ・シャッフル! まずはゆりかエリックにちゃぴクリスティーヌの「Home」でしたが、ここのちゃぴがめっかわでした! そしてだいもんヴァルモンとゆきメルトゥイユの「あなたがいたから」、色気と不倫感がすんごかったですアレはヤバい! 珠城さんときーちゃんで明るく爽やかに『パリ空』で口直し、みりおとまどかで『アデュー・マルセイユ』と、ここはもうちょっとザッツ・デュエットな選曲が良かったけれど他になかったのかな…そしてそのまま「ジュテーム」の四組デュエダンになるのですが、今度はみりおちゃび、珠城さんゆきちゃんという同期コンビにだいもんまどか、ゆりかきーちゃんというのも目新しくてときめき、最後は正カップルに戻ってのキメ!で、大興奮のうちに幕となりました。
二幕はイシちゃんが『ラ・ヴィオレテラ』より「夢の花すみれ」を歌って始まり、そのまま「ブギウギ巴里」、「ボン・ビアン・パリ」。あっきーは黒燕尾でレビューの紳士の歌手。みつるの「ファイン・ロマンス」、専科四人で「ビギン・ザ・ビギン」のあと、「水に流して」で男役群舞。二列目センターがゆりあきシンメで「はわわわわ」となりましたよね…!
続いてせーこセンターでパステルの組カラードレスの娘役ちゃんが勢揃いして「ラ・ベルたからづか」。咲ちゃんが歌い継いで、「タカラジェンヌに栄光あれ」が愛ちゃんセンターでちなつなぎしょが両脇に立ち、そうよねうちの三番手さんですもんね上級生別格スターを従えますよねと思っていたら交互にセンターを回し始めたので私は怒り心頭でした。プログラムでもれいこと愛ちゃんのいるページになぎしょを置いたことは解せません。明確に明示されているのは各組二番手スターまでだけれど、月組の三番手がれいこで宙組の三番手が愛ちゃんであることは(そして今回は出ていないけれど星組の三番手がかいちゃんであることは)確定していると思うのですよ。でも花と雪はそうじゃない。あきらちなつマイティの扱いには細心の注意が払われていますし(博多座の役替わりには驚いたけれどね…!)、雪組に至ってはあーさなんでしょ暴雪風はなぎしょじゃなくてあーさの場面だったじゃんそれを見越して様子見てんでしょ?と私は思ったんですけどどうなんでしょう? ちぎちゃん時代は彩彩ダブル三番手でよかったのでしょうが、だいもん体制になって咲ちゃんが二番手になって、なぎしょは番手を外れて別格スターになったんじゃないの? 番手って当人にとっては上がっていくものであり、組織としては下級生に向けて流れて路線を組んでいくものでしょう? 大空さんみたいな逆転とか、一時のまゆえりとかみりだいとかの同期並びはあくまで例外なんであってさ…
「パレード・タカラヅカ」でもみやちゃんカレーちゃんのシンメというのは…と慄きました。同じ二番手スターでも最上級生と最下じゃん、カレーちゃんはまだ二番手として公演していないじゃん。てかみやちゃんにはもっと敬意が払われ場面が与えられてしかるべきなのではあるまいか…
「ハロー・タカラヅカ」はあきらにれいことずんちゃん。「タカラジェンヌに乾杯!」はキキちゃんにあーさとありちゃん。そして二番手四人を中心に全員で「TAKARAZUKA FOREVER」。というわけでいわゆる『シトラス』オープニングなどでよく見る組カラー衣装でしたが、ずんちゃん以下のそら、あーちゃん、もえこがブルーを着ていて引っかかりました。パープルの数が足りなかったのかもしれないし、東京公演で参加していない星組の分の色も揃えたかったのかもしれないけれど、ずんちゃんが濃い青のお衣装ですごい特別なスターさんに見えちゃう気がしたし、デリカシーがないなと思いましたよ…(ToT)
MCは新企画で、二番手スターがレポーターとして客席に行って観客をひとり選び、トップスターと有名な台詞の掛け合いをするというもの。なかなか楽しかったです。初回はカレーちゃんレポーターで、みりおと『ミーマイ』の「私は一生結婚なんかしないで死んじゃうんだから!」「俺もそうさ」でした。
そしてゆりかが娘役に囲まれて「レビュー、明日への希望」を歌い、だいもんが若手男役に囲まれて「夢人」を歌い(とにかく上手い…!)、トップ娘役四人の眼福耳福の「白い花がほほえむ」になり、珠城さんが『ザ・レビューⅡ』より「Who Can I Turn To」を歌うと四組デュエダンになってあっきーはなんとかがりりちゃんとのカップルでした。ここの娘役は他にべーちゃん、わかば、ひらめで誰と組むことになっても見たことないので嬉しい!とワクワクしていましたが、優しげでホントよかったわー!!
そしてみりおの「愛の旅立ち」となり、イシちゃんが「UNO」を歌って(私はこれだけが知らない歌でした。『ザ・レビュースコープ』より、とのこと)、フィナーレは白燕尾で「モン・パリ」「すみれの花咲く頃」、アンコールに「アイ・ラブ・レビュー」でした。
往年のレビューの名曲とパリにちなむ作品縛り、というコンセプトがわかりやすく、オーソドックスで上品なタカスペだったと思います。一曲たっぷり歌うことも多かったので、数年前にあった、スターが数小節ずつ歌っては入れ替わるような慌ただしさもなくてよかったです。
ただ、お稽古は大変でしょうが歌だけでなく、がっつり踊る場面もひとつくらい欲しいかも。各組その年の公演のショーの名場面をひとつ再現するとかね。
あと、これまたお稽古は大変でしょうが、スターの組み合わせももっと多彩でいいと思う。各組二番手スターとトップ娘役のシャッフルや別格スターと三番手のシャッフルとかでがっつり絡ませるとか、喜ばれると思うのですよ。
それから、今回のメンバーはシンプルに新公主演経験者で揃えているのだと思いますが(なのでれんこんを出してやってくれよー!)、こういうときに宙組の娘役の育て方の下手さが露呈しますよね。ありさとゆうりちゃんが卒業してるからせーことららたんしかいないって…べーちゃんやわかば、ひらめとか、これくらいの学年の娘役さんでないと出せない魅力があるのよ育てなきゃダメなのよ!(>_<)
私は寒い笑いが苦手なのでパロディーコーナーはなくてもいいけど、なきゃないで寂しくはありましたね(^_^;)。今年は各組とも本公演が悲劇と喜劇両方だったので、おもしろく仕上がったろうなと思うと少し残念。見たかったですよ、まどかオリガに「このレンブラント、超ワタシ好み〜!」とか言われてひるむゆりかルイ14世とか、鬘を回す成金ラスプー愛ちゃんとか、ずんちゃん戸川くんがエルミタージュツアー中に急にキレて「あんたたち貴族にはリストラの不安なんかわからないんだ!」とか言ってあっきーコンスタンチンを殴って、りくクレヨンが血相変えて立ち上がるとか。りんきらアレクサンドラがコソ泥して下田夫妻に説教されるとか、「美しいものを書くことには意義がある」とか言ってせーこ早見くんが小説に書こうとするとか。キキの役がないんだけどさ(^_^;)。
まあでもとにかく目が足りなくて、あわあわしているうちに終わってしまいましたが、複数回観るなんて贅沢はできず、ライビュも仕事で見に行けなかったので、記憶にしがみついて反芻していきたいです。宙組は来年は東京公演で出られませんしね。ニュースでたくさん映りますように!(><)