シアターコクーン、2014年2月20日マチネ。
ローリングトゥエンティーズ、夢幻の都市、空想のシカゴ。踊り子志望のトランク・ジル(松たか子)は男の扮装をして田舎からやってきた…
作・演出・美術/串田和美、作曲/越部信義、八幡茂、乾裕樹。1977年初演、22年ぶり六度目の再演。全2幕。
ノスタルジックな音楽劇というかレビューというか…でした。
だが無粋ですが長すぎないか? 鼠の場面と天国の場面はなくてもよかったのではあるまいか…そういう部分も「夢幻」なんだろうけれどさ、娯楽が他にもいろいろやる現代に再演する以上はさ…
てかこれは昔に小さな小屋でやっていたからこそ輝いていた演目だったのではなかろうか。現代の渋谷のシアターコクーンでやって、誰が観たがるのだろう、喜ぶのだろう…
私はバブル世代の尻尾に属する人間で、狂乱の20年代というものは想像できるようなできないような…で、郷愁を感じるとか憧れるとかは全然ないわけで…
泡のようにはかなく消えるフラッパーたち…というだけの話なら、それこそもっと美しくて悲しいレビューの舞台を私は知っているよ、とか思ってしまったりしたのでした。すみません。
でも松たか子はなんでも上手いな。すっとんきょうな話し方が「ああ、これは作り物の話ね」という説得力を持たせていた。
逆に言うとアタマの口上が声が悪くて聞き苦しくて、「これは作り物で云々」と大事なことを言っているのにほとんど聞き取れなくて一気に萎えたんですよね…だからヒロインが出てきて舞台の見方に納得できるまですごく退屈しました。
ダメな観客ですみません…
でもりょうも秋山菜津子も鈴木蘭々も太田緑ロランスも素晴らしかったわー。
ギャングたちのスーツは『ガイズ&ドールズ』にしか見えなかったわー。
セットというか装置がなかなか素敵で印象的でした。