東京芸術劇場、2014年4月11日ソワレ。
19世紀末のイギリス、ロンドン。科学者・ジキル博士(片岡愛之助)の研究室を恩師ダンヴァース博士の娘でジキルの婚約者のイヴ(優香)が訪ねてきていた。ジキルは留守で、彼女の相手をしていたのは助手のプール(迫田孝也)だ。やがて帰宅したジキルは、イヴの来訪と明日に控えた新薬研究発表会への緊張からかテンションが高い。さらにジキルの呼び出しで俳優ビクター(藤井隆)が研究室を訪れ…
作・演出/三谷幸喜、美術/松井るみ、音楽/高良久美子。ロバート・ルイス・スティーブンソンの小説『ジキル博士とハイド氏』に着想を得た三谷幸喜最新作。全一幕。
「ただただ笑っていただいて、後には何も残らない」ことを目指したそうで、それってただのコンとみたいなくだらないものじゃないんだろうな…とちょっと構えていたのですが、ちゃんとしていました。すみません。
イヴが自分を解放していくくだりなんかはもしかしたらもっとフェミっぽく扱えるのかもしれないし、「飛ぶときはひとりで羽ばたきます」なんて台詞もあって「まさかの『エリザベート』ネタ!?」とか思いましたが、イヴが結局のところあれで幸せになったのかとか強くなれたのとかとかそしいうことは語られませんし、それでいい舞台なのでした。
しかし藤井隆の怪演に支えられている作品ではあるなあ(^^;)。
天井というか屋外を上手く見せる装置がなかなか素敵でした。BGMを演奏するというよりは効果音を入れるような音楽も良かった。お洒落な舞台でした。