駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

宮木あや子『花宵道中』(新潮文庫)

 初めて愛した男の前で客に抱かれる朝霧、思い人を胸に初見世の夜を過ごす茜、弟への禁忌の恋心を秘める霧里、美貌をもてあまし姉女郎に欲情する緑…儚く残酷な宿命の中で、自分の道に花を咲かせ散っていった遊女たちを江戸末期の新吉原を舞台に描く官能純愛絵巻。女による女のためのR-18文学賞受賞デビュー作。

 こういう連作短編集、好きです。特に後半が良かったなー。
 あと、年季が開けたり足抜けしたりしても結局上手くいかなかったりほかに仕事がなくてまた吉原に戻ってきて、遣手や女将として生きていく中年女もいる…というのがせつないながらも新しい視点で(私にとっては)、読み応えがありました。
 あと百合ネタがあったのがイイよね! これだけ性愛に溢れた世界なんだから、なきゃ嘘だよね!
 楽しく読みました。