2025年9月1日に、宝塚大劇場において、「宝塚歌劇111周年記念式典『One and only きらめきの、その先へーー』」が開催されたそうです。かつてはレビュー記念日として、公演があればそこにオマケのセレモニーがくっついて上演されたりしていた日ですね。
宝塚友の会会員も抽選で参加できましたが、私はもちろん外れました。
聞けば招待されたOGが1,100人ほど、友会会員枠は400人ほどだったそうで、その他来賓や関係者席はあったでしょうが、とにかく大劇場は満席にはならなかったんだそうです。な、何故…?
友会募集はまあまあ直近だったし、そのときにはOGの出欠確認なんか済んでたんだろうから、フルで当選させればよかったのでは…? 出欠が不確定な来賓その他のために多少の余裕を持っておきたかったんだとしても、ちょっともったいない空け方だったのでは…?
お土産の数が足りないとかなら、別にそんなものは要らないから入れてくれ、ってファンはいくらでもいたと思うんですけど…残念なのは、式典の第二部としてフツーに月組の『GUYS AND DOLLS』が上演されたんですよね。つまり月組子は二階後方席が赤い、かつて一時期常に見た、最近でも大劇場では演目によってけっこうある悲しい風景を見てしまったわけで…実行委員会みたいなものがあるのか知りませんが、何考えてんねん死ぬ気で満員にせーやオラ!と言いたい気分です。
記念口上は月・星・宙組トップコンビで。すなわち、ちなつとじゅりちゃん、ありちゃんとうたち、ずんちゃんとさーちゃんです。ありうたはトップスターとしての公式の初仕事がこれになったのかな? めでたいですね。司会はみきちぐさんだったとのこと。OGから歓声が沸いたと聞きました、これは微笑ましいですね。
来賓代表の宝塚市長の挨拶などあったのち、記念奉舞として宝塚歌劇ならではの洋楽による日舞が披露されたそうです。マイティがセンターだったり、もえことシンメになったりした模様ですね。あとは音校生の歌唱と、歴史を振り返る記念映像もあって、そのあとは宝塚メドレーとして大階段が出たミニショーになったようです。
楽曲は「タカラジェンヌに栄光あれ」「Exciter!!」「ル・ポァゾン 愛の媚薬」「Music Revolution!」「心の翼」「Killer Rouge」「シトラスの風」「パレード・タカラヅカ」。定番のタカラヅカ賛歌と、各組の代表的なショー主題歌ということでしょうか。ミュレボやキラルはそこまで組の代表曲という感じもなくて、他にも候補はあったのでは?とも思いますが、まあノリが良くてよかったのかな。
そして出演は星組生と宙組生、研一のA、C班のみのはずだったのですが…なんとかりんさんの花組子としての初仕事がここになりました! いやー持ってるねえぇ!! というわけでタカラヅカスカイステージの「タカラヅカニュース」の映像でしか知りませんが、白燕尾のかりんさんが大階段センター板付きで幕が開き、朗々と「タカラジェンヌに栄光あれ」を歌い、銀橋にも出ちゃって「♪バチッバチッバチッ、ショートする熱視線で~」のあの振りをしちゃってくれちゃったのですね!! キャーーーー!!!
え、で、なのに、「『Exciter!!』は花組生え抜きの生徒にやってもらいたかった」って声がツイッターだかどこだかで上がったんですって?
は? え??
このブログでは一部の書体をデカくするとかはしていませんが、ここからデカくしたい気満々なんですけど、初演の主演のまとぶんは星組から組替えしてきた花組トップスターなんですけど!? 花組はオサのあと先代のれいちゃんまで、何代か生え抜きトップスターが出ていませんでしたけど!?!? 現トップスターのひとこが雪組の御曹司だった時代をよもやご存じない方の発言ってことですか? てか今のトップスターのメンツ見なよ、ずんちゃん以外全員組替え経験者ですよ? そして矛盾しているようですが、ずんちゃんが生え抜きで宙組のトップスターになったことには意味があるのよ、宙組が創設以来20年以上もかけてやっと出した生え抜きトップスターなんだから!(トップ娘役はまどかが先んじて務めましたが)でもこれでやっと宙組もフツーになった、ってだけのことであって、そもそも生え抜きにそーんなに大きな意味ありますか?って話ですよ。
つーか、ほのかちゃんにやらせてあげたかった、って言いたいんでしょ? ならそう言えよって話ですよ。そういう潔くなさが嫌。「生え抜き」という言葉の陰に隠れてチラッとやってる仕草じゃん。
別に普通にこのままいけば、ひとこが辞める頃にほのかちゃん主演で全ツやってそのショーが『Exciter!!』、ってのは全然あるんじゃないんですか? このショーがそこまで名作なのか、ってのには議論の余地があるところだと思うけれど(チェンジボックス場面はルッキズムその他の問題からそろそろダメでしょう…となるとこのショーらしさ、って何?)、なんせ主題歌がいいので愛されていてみんながやりたがる、やらせたがるってのはわかりますよ。だからいつかほのかちゃん主演でやればいいじゃん。でも今はいないでしょ、東京で公演中でしょ、だからかりんさんが唯一稼働できる花組生として、花組代表として、花組の代表的なショーの主題歌を、星組子や宙組子と共に担ってくれたんでしょ、あっぱれだしむしろありがたいことなんじゃないの??
もちろん、劇団にも、こういう反応を予測して、たとえばビューティフルガーデンでもコンガでもなんならジタン・デ・ジタンでも、今までの花組ショー主題歌なんて他にいくらでもあるんだからなんでも選んだらええやろ、デリカシーないなぁ、とは言いたいですけど、でももしかしたら確信犯なのかな、とも思いますしね…
ただ、かりんさんが合流しても、花組の2番手はほのかちゃんですよ。大羽根も背負ったしね。次の本公演、かりんさんはフツーに小さめの3番手羽根で降りてくると思うけどなあ…よしんば同じ大羽根背負わせてダブル2番手としたとしても、あくまで上手、内側にはほのかちゃんを置いて、かりんさんは下席扱いとすると思いますよ? 一度は、ね。
というのも、劇団は100期ならおだちんよりほのかちゃんをずっと大事にしてきていて、なんでも先にやらせてきた歴史があるからです。そんなのは見てたらわかります。でもコロナ渦で計算が狂ったのか、もうそんな調整がつかなくなったのか、2番手羽根を先に背負ったのはおだちんでしたが…でも、これまでの歴史があるし、私の目にもほのかちゃんってホント花組の王道スターに見えるので、フツーにこのまま花組トップスターになるのが既定路線だと考えていて、なのでかりんさんの組替えはホント謎です。劇団が何をどうしたいのかさっぱりわかりません。ちなみに私はVISA冠の後任こそかりんさんだと思っていたんですけれど、意外やかみのもとでしたし、ホント、長く見ていても全然わからないことばかりな世界なのです。
でも、このあとさらに番狂わせが来るんだとしても、でもマジでそんなの生徒のせいじゃないじゃん。しかも現時点にはホントになんの関係もないじゃん。なんでそんな自分たちを、自分たちの贔屓を下げるようなことを言えるんですかね…万人が見るSNSで。ファン同士の飲み会で言えばいいのでは?
引き合いに、勝手に?ミュレボを歌われても文句ひとつ言わない雪組ファンは…みたいなことも言われていたりしたようですが、そうやって下げ出すと収拾がつかなくなるのでそこで止めとき?と思いましたし、これに関しては実は私は思うところがあって、御園座が公演中だから雪組生は式典に不参加なんだけれど、バウ公演は終わっていて、少なくともそちらの出演者は客席に座ることはできたんですよね。でもバウチームはこの日、御園座観劇に行ってるんです(全員かどうかは知りません)。楽までまだちょっとあったので、観劇は別の日にもできたはずですが、式典をスルーして行っているわけです。私はこれは、一禾あおくんのことを踏まえての、静かなるボイコットだったのでは…と、思ったり、したのでした。
スポーツ紙などの記事をきちんと追っていないので不正確ですみませんが、式典では理事長の挨拶か何かで、なにがしかの「お詫び」は述べられたようなんですけれど、それはおそらく世間をお騒がせしたことに対して、とかなんかそういったもので、あとはまた改革は引き続き進めていきますので、みたいなことをテキトーに言って終えたのでしょう。すみません、失礼だとは思いますが全然信じていないので、こんな書きようになっています。
いや、ファンやOG、関係各者や株主のみなさまなどなどに対して、信用やブランドイメージを毀損したことを陳謝するとか、再建の誓いを立てるとかは、大事なことですよ? 必要なことだと思いますよ? ちゃんとやっていて、それは偉いです。
でも、それとは別に、遺族への謝罪はずっとずっとしていくべきものなのではないのでしょうか。そしてたとえばほんの1分、有愛きいさんのために黙祷する時間を、取れなかったのでしょうか…?
遺族に断られている、とかなんらかの差し障りがあるというなら、小林一三先生を始めとするすべての劇団関係者、スタッフ、劇団員の全故人に対して、という形にしてもよかったじゃないですか。111周年まで歴史をつないでこられたことへの感謝の思いを捧げるために、関係故人への追悼の時間を取ろう、という声は、式典実行委員の誰からも上がらなかったんですか? それとも上がっても潰されたんですか? 検討すらされなかったんですか? 本当に、誰も、黙祷があった方がいいと思わなかったんですか?
式典の前日に宝塚ホテルで開催された宝友会、つまりOGの大同窓会では、物故者への黙祷が開会の挨拶後の一番にあったそうですよ??
なのに劇団は…このまま、何もなかったことにできる、とまさか本当に思っているわけではないんですよね???
そこが信じられないから、未だファンではあるけれど足が徐々に遠のくし、観ていても何かが引っかかり続けているんです。心から楽しみきれないし、常に薄ぼんやりした罪悪感を抱え続けているのです。これはこの先も決して消えないもので、ファンも関係者もスタッフも生徒も全員が、この先一生背負い続けなければいけないはずのものです。だって、命だけは取り返しがつかないものなのですから。それくらい、人ひとりの命というのは重いものなのではないでしょうか…?
私のせいじゃない、私は関係ない…なんて誰も言えない事件だったと、私は考えているのですが、劇団首脳陣がここから逃げてるんじゃ、何も始まらなくないですか? その、改革への出発点の確認すら未だきちんとできていないっぽいことに、私は深い絶望を感じるのでした。
さらには、OGの観劇態度の問題です。
式典の司会者登壇に歓声が上がったとか、宝塚メドレーが大ウケだったとかは、良きことでしょう。でも携帯電話がやたら鳴るとかおしゃべりがすごいとかってのは、ちょっといただけなくないですか? 幕間も大変な大はしゃぎで、第二部の『ガイズ~』の幕が全然開けられず、いつもにはないアナウンスが入ったそうですし、それでも舞台が始まってからも、まあプロローグに大盛り上がりなのはスター紹介パートでもあるからいいかなと思うんですが、芝居が始まっても携帯は鳴り続けおしゃべりは止まず、タイヘンだったそうじゃないですか。
幕間に蛍嬢に注意を頼みに行った友会会員もいたそうですが、そして実際にOGに注意が行ったようですが、それでも改善されなかった、ということですよね? 明るいハッピーエンドの作品だし、まだ許される雰囲気もあったかもしれませんが…でも、せっかくの後輩現役生たちの舞台を、もっと真面目に、きちんと観てあげられなかったのでしょうか? それとも上級生のために下級生がやっている余興だとでも思っているんでしょうか? それで何をどうつっこみ自分たち同士でいくらくっちゃべろうと、上級生だから許される、というタカラヅカ・ローカルルールですか?
でも、OGだって卒業したらただの一観客なんじゃないんでしょうか。同じ客席にいる、抽選に当選した友会会員と等しく、通常の観劇マナーを守り、携帯の電源は切って私語はせず身動きも最低限にして前のめりはNG、ってのが当然なのでは? この日客席にいた友会会員には、これがマイ初日とかこの回しか観ない、という人はおそらくいなかったのではないかと思いますが、でもだからってやっぱり大事な一回ですし、おちついてちゃんと観たかったはずです。抽選で無料で招待されてるんだから客じゃない、とか宝塚歌劇がここまで続いてきたのは歴代出演者つまりOGのおかげなんだから客は差し出口するな、みたいに言うのは…ちょっと、あまりにも、おかしいんじゃないですかね?
十年に一度の機会で、久々の再会もあって、はしゃぎたくなるのはわかりますよ? でも前日に大同窓会があったんでしょ? そのあとも期ごとの同窓会があちこちのお店で開催されたんでしょ? なら積もる話はそこでしようよ、目の前の舞台はちゃんと観ようよ…
友会会員を入れず、関係者だけでクローズで、しかも『ガイズ~』部分はOG応援上演会みたいにしていたら、存分に騒げて楽しめてよかったのかな、とも一瞬考えたのですが…でも私語OKとかにしたら、応援発声というより自分たちの話に夢中で舞台なんか観なくなりそうですよね。直接知っている後輩ももういない、みたいな層のOGの方が多そうですし。そうなると応援も何もないし、ホントただの宴会余興扱いになりそうで、それは月組子がかわいそうすぎやしないかい…?と、思い直しました。
つーか余興ってちょっともはやいろいろアレでは、とも思うんですよね。そりゃ舞台度胸をつけるためとか、恥かいてナンボとか、関西お笑い気質とか、なんかいろいろあるんでしょうけれど、やっぱりいじめの温床になっていませんか?という気がしちゃうのです。上級生が白と言えばカラスも白とか、まだまだありそうだなーとか、その延長にあの事件があったってことの証左じゃんって気しかしない。なーにが無礼講だよ、昭和の酒の席じゃねーんだよ、平成もとっくに終わってもう令和だっつーの!!!
大同窓会で黙祷して、ちょっとは殊勝な気にならなかったのでしょうか。それそもそのときは単なる老衰や病気、あるいは事故などで亡くなった大先輩方のことしか思い浮かべなかったということなのでしょうか。
何故111周年記念式典になったと思っているんでしょうか、ゾロ目でめでたいね、とかじゃないんですけど? 何もなければフツーに110周年にやっていましたよ、死者が出たから大運動会もタカスペも何もかも吹っ飛んで、記念式典も繰り越されてるんでしょ? そこからまだ丸2年経っていないんですよ? 去年は休演日で劇団は何もしなかったけれど、今年の命日はどうするんでしょうかね? 三回忌なんですけどね??
件のOGは無礼講発言をしたSNSについて謝罪や訂正をすることはなく、むしろ友会会員の盗撮行為を例に挙げて反論する始末です。うん、隠し撮りはマナー違反だし、もはや一般人になったOGにも肖像権はあるので犯罪ですね。つまり両方とも悪いことなので止めましょう、という話でしかないのです。反論になっていない。
この方だけの意識、問題だとは思えないので、一事が万事こうなんだろうなと思うと、それは受験スクールで受験生たちに植え付けられ、彼女たちが入団すればそういうローカルルールで物事を進め続けるでしょうい、一方で現在の団員たちにも生存者バイアスがあってなあなあで進め続けているなら、何かが改善される余地などあるのか疑わしいところです。
もちろん劇団はすべてスルーだし、炎上なんて2、3日もしたら次の話題に飲まれるので放置が一番…と考えているのでしょう。そしてそれはおそらく正しい。でも、心あるファンに傷として残り続け、これからも足を遠のかせ続けるのです…
もう遠征はしないとか、宙組は観ないとか、誰々さんが辞めるまでは観ないとか、様々に観劇回数を減らしている友達が私の周りにはたくさんいます。私も観劇回数は減りました。でも観てるじゃん、まだファンやってるじゃん、と言われれば、お恥ずかしい…としか答えようがないのですが、忸怩たる思いで、でも素晴らしい舞台芸術で特異なエンターテインメントで世にある意義や価値があると思うから、観続けているのです。ダメなところは正され、より良くなるはずだと信じて待っている。でもこうして裏切られ続けている…
本当に、早晩、ギブアップ、となる日は来るのかもしれません。こんなんなら宝塚歌劇なんかなくてもいい、ない方がいい、となる日が、いつか、それも意外と早くに、来てしまうかもしれません。改めて、そう思わされた一件でした。
あくまで個人の所感です。単なる私のお気持ちの表明ですが、書き記しておきます。

2日目11時観劇後に見つけたアナウンス。初日にはいたショー銀橋にいないな、と思っていたところだったのです…